らでんマウスに挑戦!

2002/12/02
らでん細工で装飾したマウスなんてシブイかもネ…と、加工品開発も一段落した工房は、この伝統工芸の匠の技に挑戦してみることにしました。「螺鈿」を国語辞典で調べてみると、『貝がらの真珠色の光りをはなつ部分を薄く切り、器物にはめ込んで、装飾とするもの』と、あり、奈良、平安の時代に中国から伝来し、 刀の「さや」の装飾が始まりらしいです。(・・;)

一度、釣竿で試したことがあって、工程は把握していますが、果たしてマウスの曲面に貝がらの破片がなじみ、均等に研ぎ出しが出来るのか分かりません。(ゆるい曲面なら大丈夫でしょうが・・・。)この特注仕事、らでん職人は引き受けるんでしょうか? まあ、『案ずるよりも産が易し』とも言いますから、楽しみつつ、真剣にやってみます。完成はいつになるか分かりませんし、途中で棄権するかも知れませんが、それまでこのコーナーを続けます(*^^*) 次回はマウスの分解からです。


2002/12/12
マウスの分解のお話は省略しますm(_ _)m 今回の「らでんマウス」はマウス全体に装飾するつもりなので、塗ってしまうとまずい部分をマスキングしてから塗り始めます。黒ウルシは筆で薄〜く塗っていきますが、かならず刷毛ムラとごみが付くので、1〜2日乾かした後、サンドペーパーを軽くかけながら数回にわたり塗り重ねて行くのです。それはまことに地道な作業ですが、まさに日本伝統工芸を担う一技工士になったかのような錯覚を覚える瞬間でもあります・・・。

ボタン部分の右が研磨前、左が後ですが、今日までにもう、4回は重ねています\(^O^)/これでようやく貝殻をのせる下地ができたのですが、何をモチーフにして絵柄を決めるかまだ迷っているのです。正攻法でいくべきか、あっと驚く、「らでんドラえもん」なんかも面白そうな・・・


2003/1/16
材料の貝殻は新しいほど光沢があるので海鮮屋さんで採りたてのアワビの貝殻を戴いてきました。ちなみに今、アワビが1キロ10500円、伊勢エビで8000円の値段だそうですが、アワビなんて高いわりにはコリコリした食感だけで、そんなに美味いものではありません。それと今が旬の伊勢エビは、使い捨てカイロで保温したオガクズの中に入れ、生きたまま贈答などに宅配されていますが、送られた方はギーギー鳴いて飛び跳ねる海の幸(生き物)に驚いても恐くは無いでしょうけど、あの姿の生き物がもしも土中の生物で、庭の土などから飛び出してきたら...と思うと、それはそれは恐そうでゼッタイ食べ物として考えられない、食べたくもないモノでしょう…。海に生きてる「イセエビ」で良かったネ・・・

伸び伸びになっている貝殻の破片を埋め込む次の工程ですが、小さな破片を一つ一つピンセットで摘まみ、ウルシが乾かないうちに頭の中にある図柄をレイアウトするなんてとても出来そうもないので、モチーフ無しのマウス全体に散りばめるだけにしました。それも上から適当に降りかけるだけの超手抜き技法です。それでも素材がイイからきっと綺麗で豪華なマウスに“見える”と思うのですが…。次の工程は、貝殻が定着してからウルシを塗り重ねる作業です。そして乾燥を待ち、研ぎ出しに進みます。

工房なりの貝殻のうす膜のはがし方はこちらで簡単に説明しています。


2003/1/20
何を製作している工房なのか分からないほど、ウルシとシンナーの強烈なニオイを充満させながら進めているこの螺鈿マウスつくりですが、貝殻膜の埋め込み作業も終わりいよいよ最終の研ぎ出しに入ります。この工程は仕上がりの良し悪しに大きく関わってくるので慎重に進めます。まず、粗い耐水サンドペーパーで表面をならしていくと厚めの貝殻が現われてきます。現われてきたら一旦ストップです。これは、この下にまだ埋まっている薄い貝殻膜を様子を見ながら剥がしてしまわないよう、じょじょに研ぎ出していくためにペーパー番数の高いものに換えて、気合も入れ直して作業していくためです。

右下の写真は厚めの素材が現われた状態で、これからが研ぎ出し技法?の腕の見せどころです。ヤスリがけ、ペーパーがけは当工房の商品であるロッドケース製作で腕を上げているので自信もあります。学生時代、機械科での実習経験がここへ来て役に立つなんてねェ・・・\(^O^)/   * 現在はロッドケースの製作は終了しています(;;) *


2003/3/5
順調に進んでいた今回の螺鈿細工マウスは最終段階のうるしの研ぎ出しに大失敗したため、貝殻膜を埋め込む下地作りからやり直す最悪の事態を迎える羽目になっていました。失敗は研ぎ出し過ぎでマウス本体のプラスチックの地肌が露出してしまったことです。


一度失敗すれば次はもう大丈夫。最終段階の工程にさえ気を付ければ豪華なマウスがついに出来上がる・・・と思っていました。ところがです!やり直した塗り重ねの乾燥時間が短かかったようで今度はうるし表面に「ちぢみ]の発生です。それを見て『そんな〜〜』と、心の底から嘆いてしまいました。(写真の右下なな目の線がそうです)


写真では分かりませんが螺鈿自体は虹色に輝きほんとうに綺麗です。今回は失敗となりましたが、いつかまた挑戦してみるつもりです…(;ヘ;)


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