| <海でのハンティング> まわりが海なら食料には困らない。魚、貝、海草など。その捕り方や料理方法を考えてみよう
釣り道具を作る 釣針 釣針がないと魚は釣れないので、自分で作らなければならない。古釘が落ちていれば岩の隙間に差し込み、石で叩いて適度に曲げて作ればいいが、見つからない時は枝分れになった木か動物の骨で作ろう。根気がいるが貝殻で細工してもいい。
釣糸 木の皮をはがして乾燥させ、そこから繊維を抜き取り、より合わせて糸を作るか草むらの草やつる草の茎をさいてみる。強そうな繊維を見つけて乾燥させ、石で叩いて柔らかくしてから、引っ張っても切れない強さによりあわせて作る。
エサ 魚のエサはタイドプールから捕ろう。逃げ遅れた小魚、カニ、貝類など豊富にあるはずだ。食料にもなる。他に白いビニールなどの切れハシでもよい。
ワナを仕掛ける 潮が満ちたときに浅瀬にスダテを作って、V字型に立てておく。潮が引くと中に入った魚は逃げられないので、簡単にすくえる。竹筒の中にエサを入れてウナギのいそうなところに沈めておく。このとき入り口を工夫して、一度入ったら出られないようにしてもよい。
[タコの捕り方] タコは夜行性だから昼間は岩礁の岩穴の中に隠れて眠っている。普通、岩礁地で見かけるのはマダコだ。これを捕まえるのは薄暗い朝のうちがよい。食物となる貝やカニを探して活動している。マダコはエサを捕まえると岩穴に運んで食べる。カニのいそうな岩穴をのぞくと大抵タコがいる。タコは八本のうち二本は見張りの役目をするため岩穴の外にチョロリと出している。これは近くの水が動いたり、物がさわったりするとタコは眠りから覚め、逃げたり「スミ」を吐き出して煙幕を張ったりする。
タコの足をつかまえてとろうとしても、岩に吸いつたら離れない。そのうちにトカゲの尾のように足は切れてしまう。一番よいのは竹竿や棒で突いて捕る。軽く突いてやると八本の足をからめて竹竿に吸いついてくる。素早く竹竿を上げるとタコはくっついたまま水面に上がってくる。
壷の中にタコの大好物のカニなどを入れて夜沈めておくとタコは用心深いが、危険がないとわかると、その中に入って眠る。昼間その壷を上げると簡単にタコを捕ることが出来る。
[カニの捕り方] カニは横に歩くから、カニがいそうな岩陰に網などを沈めておき、横から追うと横に逃げる。網の上にきたらサッと網を上げればよい。イソガニのように海岸の岩の割れ目にいるのは棒でつつくと飛び出してくるから、そこを網をかぶせても、網を沈めてすくい上げてもどちらでもよい。一番簡単なのはモリで突く。
浜カニのような砂の中に住んでいるのは、棒でつつくとますます奥へ入ってしまう。このようなカニを捕まえるときは、糸で輪を作り、カニの入っている穴につるすと、カニはこの輪をつかもうとするから、ハサミを輪にしめられて捕まえることができる。 この種類のカニは寄生虫を持っているものがいるので、食べるときはよく火を通す。
アワビを簡単にはがす法 アラメなどの海草のある岩場には必ずアワビがいる。これはアワビがそれらの海草を食べて生きているからだ。アワビは岩場にはりついていて、慣れないと岩と見分けが難しい。見つけても手では絶対にはがせないし万一手をはさまれると危険なので手は使わないこと。またアワビやサザエのいる所にはウツボが同居していることが多く、うっかり岩の間に手を入れるとガブリとくる。手袋をはめドライバーのようなものを、アワビと岩の間に差し込んで掘り起こせば簡単にとれる。
とったアワビは砂がついているから、身に塩をのせ、タワシやブラシでこすってよく洗う。大きなスプーンか竹を殻と身の間に差し込んでこじるとすぐはがれる。
海辺で作る干し物 たくさんとれた魚介類を長期間保存するにはそれらを乾燥させて干物にする。干物を作るコツは、できるだけ早く乾燥させることで、水分量を40%以下にする。水分量がそれ以下になると細菌類が繁殖しないから腐敗しにくい。干し物には素干し、煮干、塩干し、焼き干し、調味干しと5つの方法がある。
素干し とれた魚介類をそのまま食塩などを加えないで、直接乾燥させる。乾燥に時間がかかるから、ハラワタや腹側の部分を取り除いて干す。
煮干 魚介類を一度煮てから乾燥させる。煮干イワシはカタクチイワシ、または小型のマイワシなどを3%の程度の食塩水で煮て乾燥させる。こうしてできた煮干は味噌汁などのダシによい。また油でいためて食べてもうまい。
その他貝柱、ホタテガイ、イタヤガイ、アワビなども見を取り出して一度よく煮たあと乾燥させて作れる。サメがとれたら、ヒレを切り取り、食塩水で煮て乾燥させておく。サメのヒレスープの材料が作れる。
塩干し 干し物のうちでもっとも一般的である。とれた魚を二枚か三枚におろし、食塩をふって乾燥させる。イワシ、サンマ、アジ、トビウオ、フグなどほとんどの魚から作れる。またボラの卵からカラスミを作ってみるのもおもしろい。
焼干し 一度焼いてから干す。とくに川魚、アユ、フナ、など焼干しにするとうまい。海の魚ならハゼ、アナゴ、タイなど。
調味干し 魚介類に調味液をつけて干す。これは自分好みの味が作れるから楽しい。醤油、砂糖、みりんを合わせて調味液を作り、みりん干しを作る。アジ、サバ、キス、サンマなどは頭部とハラワタを除き、腹開きにして背骨を除き、調味液につけて干す。日干ししたあと火であぶり、調味液をつけてもう一度干してもうまい干し物ができる。
蒸し焼料理 1.深さ30センチくらいの穴を掘る。 2.穴の底には木の葉を敷き、たき火でよく焼いた石を、木の枝などで作ったハサミではさんで、その上に入れる。 3.焼けた石の上に昆布などの海草を敷く。 4.その上に魚、肉、野菜などを並べて、上にもう一度海草を敷く。 5.焼石を入れて、木の葉を厚くかける。 紙があれば木の葉の上にのせてから砂をかけてもよい。2〜3時間ほどたってから掘ると、海草の蒸気でホカホカとした蒸し焼きが出来あがる。海草がないときは大きな葉をのせて、その上に水を少しかけるとよい。
魚の鮮度の見分け方 ・肉は新鮮であればあるほど身がかたい。古くなると腹部が軟化する。 ・目ににごりのないもの。 ・エラに黒ずんだ血液の色があるのは鮮度が落ちている。 ・透明感があるのは新鮮。古いものほど濁った色をしている。 ・うろこに光沢のあるものほど新鮮。 ・古い魚ほど生臭くなる。新鮮なものは磯の香りがする。
フグは料理しない 魚の中には食べると中毒を起こすものがある。フグ類に多く、とくに卵巣と肝臓が猛毒を持っている。中毒の症状がひどいと神経が麻痺して死んでしまうこともあるので素人は料理しないこと。えたいのしれない魚で、どうしても食べなくてはならないときは、致死量に達しないように少しずつ時間をあけてようすをみながら食べることだ。腹が痛くなったり、体に異常を感じたら毒がある証拠だからそれ以上食べてはいけない。
海藻を利用する 海藻は食用だけでなく、日常生活のいろいろな物に利用できる。
食用になる海藻 紅 藻 類: 浅草ノリ、テングサ、オゴノリ、トサカノリ かっ藻類: モズク、マツモ、ハバノリ、ワカメ、ヒジキ、マ昆布、ミツイシ昆布 緑 藻 類: 一重グサ、青ノリ
その他使用できる海藻 寒天の材料: テングサ類、オゴノリ、イギス 薬用・虫下し: マクリ(カイニンソウ)、ハナヤナギ 洗 濯 の り: フノリ類(フクロフノリ、マフノリ、ハナフノリ) 壁上用のり: ツノマタ類、ギンナンソウ類 肥 料: アラメ、カジメ、昆布類
カンテンの作り方 1.マクサ(テングサ)と水を鍋などに入れてドロドロになるまでトロ火で煮る。 2.その煮汁をガーゼなどでこして、てきとうな容器に入れ、冷蔵庫で凍らせる。(自然界では冬期) 3.凍らせた物を溶かしてもどしたあと水だけ捨てる。それを乾燥させるとカンテンの出来上りだ。 |